50mmの標準レンズが気になる理由
標準域の単焦点でいいレンズがあるとウレシイ。でも実際のところ、マウントによって品揃えに差があるのも事実なわけで、じゃあいい感じの標準単焦点があるマウントはどれかなーということで、比較するために一覧表を作ってみました。とりあえず今回はAPS-Cしばりで。
で、なぜ標準域が気になるかというと、人間の視界に一番近いのが50mm前後だから。「あっこれ撮りたい!」と思ったその情景が、そのままの形で切り取れるのが50mm前後ということです。
例えば右目でファインダーを覗いて、左目も開けて被写体を見る。右目でファインダー越しに見る被写体と、左目で直接見る被写体の大きさは、50mmだとほぼ一致します。
一覧表の前提
あらゆるレンズをすべて一覧にするとキリがないので、以下のような条件でピックアップしてみました。
- 35mm換算で焦点距離45mmから60mmとする
- オートフォーカスレンズのみ
- マクロレンズは対象外とする
APS-C 標準域の単焦点レンズ一覧表
マウント | メーカー | レンズ名称 | 35mm換算 | APS−C専用 | Amazon レビュー |
重量 | フィルタ径 | 手ぶれ 補正 |
静音 AF |
最短 撮影距離 |
最大 撮影倍率 |
発売日 | 定価 | 楽天 最安値 |
EF | キヤノン | EF35mm F1.4L USM | 56 | ■ | 580 | 72 | ● | 30 | 0.18 | 2002 | 205,000 | ▼ | ||
EF | キヤノン | EF35mm F2 IS USM | 56 | ■ | 335 | 67 | ● | ● | 24 | 0.24 | 2012 | 83,000 | ▼ | |
F | ニコン | AF-S DX NIKKOR 35mm F1.8G | 52.5 | ● | ■ | 200 | 52 | ● | 30 | 0.16 | 2009 | 33,400 | ▼ | |
F | ニコン | AF-S NIKKOR 35mm 1.4G | 52.5 | ■ | 600 | 67 | ● | 30 | 0.2 | 2010 | 230,000 | ▼ | ||
F | ニコン | AF-S NIKKOR 35mm 1.8G ED | 52.5 | ■ | 305 | 58 | ● | 25 | 0.24 | 2014 | 63,000 | ▼ | ||
A | ソニー | DT 35mm F1.8 SAM SAL35F18 |
52.5 | ● | ■ | 170 | 55 | 23 | 0.25 | 2010 | 24,000 | ▼ | ||
A | ソニー | 35mm F1.4 G SAL35F14G |
52.5 | ■ | 510 | 55 | 30 | 0.2 | 2006 | 188,000 | ▼ | |||
E | ソニー | E 35mm F1.8 OSS SEL35F18 |
52.5 | ● | ■ | 154 | 49 | ● | ● | 30 | 0.15 | 2012 | 53,000 | ▼ |
K | ペンタックス | FA31mm F1.8 AL Limited | 46.5 | ■ | 345 | 58 | 30 | 0.16 | 2001 | 153,000 | ▼ | |||
K | ペンタックス | FA35mm F2 AL | 52.5 | ■ | 195 | 49 | 30 | 0.17 | 1999 | 52,000 | ▼ | |||
K | ペンタックス | DA35mm F2.4 AL | 53.5 | ● | ■ | 124 | 49 | 30 | 0.17 | 2010 | - | ▼ | ||
X | フジフイルム | XF35mm F1.4 R | 53 | ● | ■ | 187 | 52 | 28 | 0.17 | 2012 | - | ▼ |
キヤノンには該当するレンズが事実上ない
キヤノンAPS−Cユーザーにとっては既知の事実ですが、標準レンズはシグマを使え、という定石です。ご覧のとおりフルサイズ用の35mmがAPS−Cでいうと標準レンズになりますが、いずれも結構なお値段で、フルサイズのハイアマ向けという印象は否めません。
そのキヤノンユーザー御用達たるシグマ30mm F1.4 DC HSMですが、これはこれで評判の良いレンズですから、まあ不足はありません。ただもちろんですが、シグマなので他のマウントでも使えます。
どれだけ寄れるか、これも大事
明るくて軽い単焦点レンズを普段使いにしようとすると、寄れるか寄れないかは結構使い勝手に影響しますよね。テーブルフォトはもちろん、子どもを撮るときは不意に寄ってきたりするので、そういう表情も抑えたい。
感覚値ですが、最大撮影倍率が0.2倍以上あるとマクロ用途以外ではほぼカバーできるかなといったところ。0.2倍寄れるとどんな写真が撮れるかというと…
ちなみにこれはソニーのAマウント用レンズ、SAL35F18で撮ったものです(ボディはα700)。このようにかなり寄れるし、軽量コンパクト、値段もかなり手頃で、普段使いの一本としてはホントに言う事なし!
同じように、ニコンの35mmもけっこう寄れますね。残念ながらフルサイズ用のお高めの2本ですが。
注目はフジ XF35mm F1.4 R
最注目株はこれでしょう。APS-Cで換算53mm、 開放F1.4。その割に187gという重量は驚きですし、実売価格も4万円台前半。決して安いわけではないですがこのスペックからすると激安レベル。画質も折り紙つきですよね。
静音AFがないので動画は正直NGですが、これをX-T1に付けっぱにしてスナップシューターとして持ち歩く、なんて憧れるわー。そんなに高くないし見た目もかっちょいいし。なんかソワソワしてきた。APS-Cの標準レンズとしてはベストのうちの1本です。